健康

その「健康常識」にメス!・・・その“常識”が危ないのです。

 

今回は、健康がテーマです。

 

世の中には、たくさんの健康情報があふれていますね。

健康をテーマにしたTV番組もいろいろ出ていて、世の中の健康管理の意識は高まっています。

でも、そうした「健康常識」の中には、どうやら根拠が曖昧で間違っているのもあるようです。

 

今回も、そうした“常識”の間違いをいくつか取り上げてみようと思います。

 

1、その腫瘍は、「がん」なのか?それとも・・・

1、健康な人が治療されている現実

 

最近では、欧米では、

「がんでもない人に検診をして、無意味で有害な治療をするのは、もうやめよう」

という、大きな波が起きているようです。

 

アメリカでは、甲状腺がんの発見数は、この35年間で3倍にもなってきています。

ところが、死亡数は10万人あたり毎年およそ0.5人のままなのです。

 

つまり、3倍多くがんが発見されても、そのほとんどが本物の「がん」ではなかったのです。

韓国でも同様の結果が出ている様です。

 

アメリカでは、「がんという名前の無害の腫瘍」のことが年々クローズアップされています。

 

スイスでは、医療委員会が、2014年に、「マンモグラフィー廃止」を勧告しています。

 

理由は、次の通りです。

  • 「乳がん検診でがん死を減らせる」というデータには信憑性が欠ける
  • 生検では、むやみに体を傷つける
  • 手術や抗がん剤などの不要な治療をされる

ということでした。

 

 

2、「がんは早期発見・早期治療」という考えが危ない

 

カナダでは、マンモグラフィを受けた女性、約4万4925人を25年間追跡したら、

「乳がんと診断された484人中、106人は過剰診断で不要な治療をされていた」

と判明。

 

世界の10の研究をまとめて分析した論文「コクラン・レビュー」の結論も、

「マンモグラフィは乳がん生存率に影響を与えない」

というものだったようです。

 

その他のがんにおいても過剰診断が多く、不要な治療をされやすいと、米国立がん研究所が発表しています。

 

男性も、前立腺の異型上皮を「がん」と診断され、前立腺を全摘されてオムツが手放せなくなってしまった人が大勢います。

 

そもそも健康な身体にメスを入れたり、毒性が強い抗がん剤を打ったりすればどうなるでしょう。

何もやらない人よりは、確実に寿命を縮めます。

 

 

3、子宮頸がんの99%が、がんではない

 

また妊娠中に発見される「子宮頸癌」には、次の2種類があるといいます。

  • 扁平上皮癌
  • 腺がん

どちらも上皮内にとどまっていれば、99%は「がん」ではないそうです。

 

スウェーデンの統計によると、

子宮ガン検診で発見されるゼロ期のがんは、99%以上が「がん」ではない

そうです。

 

子宮頸癌は、30代前後でよく見つかりますが、たいていは上皮内がんで死亡率は低い。

欧米では慢性疾患扱いだそうです。

 

妊娠中に子宮にメスを入れると、術中術後の出血が増えます。

また、流産や早産おリスクが高まります。

 

妊婦さんは、がん検診は受けない方が良いようです。

 

 

4、「がん検診をやめた村」

 

日本では、1989年に、「がん検診をやめた村」、信州の泰阜村(やすおかむら)で明らかに「がん」が減ったといいます。

 

胃がんなどの集団健診をやめてみたのです。

すると、次のような結果が出ました。

  • その前の6年間は、胃がんの死亡率が村民死亡者数の6%だった
  • がん検診をやめた1989年からの6年間は、2.2%と半分以下に激減した

 

これは、健診を受けると、不要な治療をされてしまうことが原因のようです。

不要な治療のため、手術の後遺症や、抗がん剤の副作用、精神的なストレスなどで早死にする人が多くなると考えられています。

 

 

2、コレステロールは、「長寿のもと」

次は、コレステロールについてのお話です。

コレステロールが何かと悪者にされていますが、実はそうではないのです。

 

1、体にも精神にも大切なコレステロール

 

1980年代に、福井市の約3万7千人を5年間追跡したら、次のような結果が出たそうです。

  • 男女とも、コレステロール値の最も低いグループの総死亡率が、一番高かった
  • 男性は、血中コレステロールちが高いほど、総死亡率が低い

と。

 

また、「別の成人男性3万人を5年間追跡した調査では次の結果が得られているようです。

「コレステロール値が低い人はうつ状態になりやすく、自殺が多い」

と。

 

コレステロールは、全身の細胞膜の構成成分です。

ですので、がんやウィルスをはね返す強い細胞膜を作るコレステロールは、「長寿薬」と言えます。

ホルモンも作ります。

副腎皮質ホルモンや、男性ホルモン女性ホルモンも、コレステロールからできています。

 

コレステロールは脳に全体の4分の1も存在しているそうです。

コレステロールが減ると、脳から体に正しい指令が出せなくなってしまうのです。

 

頭の回転が早く、元気で行動的な人は、血中コレステロール値が高いようです。

 

 

2、ほぼ完全栄養食の「卵」をたくさん食べましょう

 

以前は、卵をたくさん食べるとコレステロールがたまりすぎてよくないという考えが主流でした。

しかし、実際には卵を毎日たくさん食べても血中コレステロール値には影響を与えないようです。

 

アメリカでは、2013年に心臓病学会などが、

「コレステロールの摂取制限を設けない」

としています。

そして日本でも2015年、食事におけるコレステロールの摂取量に関して上限値が撤廃されました。

米国心臓協会は、

「食事からのコレステロール摂取量を減らすことで、血中コレステロール値が低下するという明確な証拠がない」

ということです。

 

 

また、最近では、

「65歳をすぎたら、積極的に動物性タンパク質をとった人が長生きする」

とも言われています。

 

コレステロールがどうしても気になる人でも、卵をたくさん食べても大丈夫なようです。

 

ホントは卵が大好きなのに我慢していたあなた、

もっと卵を食べましょう。

 

脳と体をしっかりと健康に維持していくために、たんぱく質を十分に撮り続けていくことが大切です。

 

そして〈適度の運動〉をする、これが健康維持の秘訣です。

 

 

【参考文献】 『医者に殺されない47の心得』(近藤誠著、アスコム)

       『クスリに殺されない47の心得』(近藤誠著、アスコム)

 

医者に殺されない47の心得 必携版 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法
クスリに殺されない47の心得 必携版 体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ

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