みなさん、こんにちは。
最近は、しばしば〈事故物件〉が話題になっていますね。
今日は、その事故物件のお話を、私の体験も交えてしていきたいと思います。
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Contents 目次
1、事故物件とは
1、「心理的瑕疵」って?
事故物件とは何か?ということを調べていきますと、大島てるさんの事故物件サイトが出てきます。
その中でしばしば、「心理的瑕疵(しんりてきかし)」という言葉に出くわします。
ここではその「心理的瑕疵」についてまず説明しましょう。
瑕疵(かし)という言葉、これは「きず、欠点」という意味でつかわれる法律用語です。
通常、物件についていう場合には、次の3つの意味があります。
- 法的(権利上の)瑕疵
- 物理的(構造上の)瑕疵
- 心理的瑕疵
1、法的瑕疵
これは、たとえばある土地には建築基準法上、「再建築不可」であるというように、その物件に法的な意味で欠陥があるという場合です。
2、物理的瑕疵
これは、たとえば、雨漏りやシロアリ被害がある物件です。
あるいは、マンションが傾いているといったように、物理的な意味で欠陥がある場合です。
ピサの斜塔なんかは、地盤沈下で建物が傾斜するという物理的瑕疵のおかげで、誰もが知る世界遺産になってしまいましたよね。
3、心理的瑕疵
これは、住む人が何らかの理由で済むのには嫌悪する理由があるという瑕疵です。
たとえば、すぐ裏側に墓地があるとか、指定暴力団の構成員が居住しているとか、ラブホテルがすぐ近くにたくさんあるとかといった場合です。
さらに、今回のテーマである「事故物件」であることも、これに当たります。
いや、事故物件こそが最も代表的な「心理的瑕疵」といえるでしょう。
2、事故物件とは、何か?
事故物件という場合、普通は、殺人事件や火災での死亡事故があったり、さらに自殺があった物件をいいます。
人の死にかかわる事件や事故が起こった場合に言われるようですが、明確な定義が定まってはいないようです。
普通に家の中で病気で死亡した場合は、事故物件には含まれないようです。
しかしこの場合でも、一人暮らしの人が、家の中で孤独死して長期間、発見されなかった場合などは、事故物件と呼ばれるでしょう。
部屋の中に死臭が充満していたり、畳の下にまで体液がしみ込んでいる場合などです。
借り手や買い手がなかなかつかないため、通常は家賃や価格が低く設定されて下がる場合が多いものです。
3、隣の事故物件(私の体験談)
実はこれについて、私自身の経験があります。
私が以前住んでいたアパートの隣の方(男性)が孤独死していたのです。
最初は夫婦で住んでいたのですが、離婚されたのか、いつの間にかおじさんの一人暮らしになっていました。
安いアパートでしたので、壁の厚さは薄くて、夜になると隣のテレビの音もよく聞こえていたものでした。
夫婦の喧嘩の声も聞こえてきた時があります。
そうしたアパートでしたが、そのうちに、何か月かまったく人が住んでいる気配を感じなくなったのです。
そして、何かのきっかけで亡くなっているのが「発見」されたのでしょう。
物音が聞こえなくなってから、2、3ヶ月、その期間、亡くなったまま放置されていたのでしょう。
窓が大きくあけられて、家の前には独特のツンと鼻につく強い死臭が、漂っていました。
私の部屋は、2階の一番奥の部屋でしたので、部屋から出て、下に降りていくたびに、その亡くなった方の部屋の前を通らなけらばならなかったのです。
1ヶ月以上、そのきつい死臭をかぐことになってしまいました。
部屋の中はどのような状態だったのかは、奥まで見えなかったのでわからないですが、亡くなられてから、かなりの期間、放置されていたものと思われますねぇ。
孤独死された隣の方は、優しい方だったのですが、お気の毒です。
その後、この部屋がどういう扱いになったのかは知りません。
今のように事故物件という言葉も知らない人も多い時代の話です。
4、事故物件はどれくらい安くなるのか?
事故物件であっても、そこに住む人がいるのは、賃料や価格が安いというメリットがあるからですね。
では、いったい、どれくらい安くなるのでしょうか?
売買物件の場合は、物件の所在地や事故の内容にもよりますが、2割から3割引きが多いようです。
最大でも通常の半額が相場のようです。
では賃貸の場合はどうでしょうか。
民間の賃貸の場合は、4割引き程になります。
しかしこれも事故が起きてから数年の間に限られます。
年月がたつにつれて、段階的に通常の家賃に戻っていくケースが多いようです。
公営住宅住宅やUR の場合は、住宅内で人が亡くなった物件を、「特別募集住宅」とし次の入居入居者を募ることになります。
この場合には、家賃が1年間、もしくは2年間が半額に割り引かれる仕組みになっているようです。
2、事故物件は、いつまで告知が必要なのか?
さて、物件の検索をしていきますと、「告知事項あり」とか「心理的瑕疵あり」といった表記にであいます。
これは、何らかの意味で「事故物件」である可能性が高いと考えてよいでしょう。
ここでは、この「告知」について説明します。
1、何をいつまで「告知」すべきなのか
国土交通省がそのガイドライン(案)を発表しました。
賃貸物件に関しては告知期間を3年間とするなど、具体的な内容に踏み込んだ興味深いものです。
これによると、〈自然死〉は告知しなくてもよいのが原則となっています。
今回のガイドライン(案)では、
「買主・借主が契約締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるもの」
が告知の対象となっています。
そのため老衰で亡くなった場合はもちろん、病死など自然死は、原則として告知する必要はないとしているのです。
バリアフリー化が進んでいるとはいえ、まだまだ家の中での老人の転倒事故は多いものです。
そうした自宅の階段から転落や、入浴中の転倒や溺死も、告知不要です。
食事中に喉を詰めてしまう「誤嚥(ごえん)」での事故など、日常生活の中で生じた不慮の事故も告知不要ということです。
つまり、日常生活の中で起こったものは、不慮の事故による死亡であってもは、予測できるものとして告知義務の必要がないとされています。
そもそも、今でこそ病院で亡くなる人が多くなったとはいえ、昔は自宅で亡くなるほうが普通でした。
人というのは、いずれ亡くなるものです。
死亡したという事実だけでは「住み心地のよさを欠く」とは言えない、ということなのです。
ただし、先の私の体験のような、「人が自宅で孤独死し、長期間にわたって人知れず放置された」などの場合は別になります。
このような場合については、自然死などであっても原則として告知が必要としています。
この国土交通省が発表しましたそのガイドライン(案)は、現時点では、広く一般に意見を求めている段階です。
ですので、今後変更もありえます。
2、「告知」する内容および期間
では、何がいつまで告知されるのでしょうか。
ガイドライン(案)では、告げるべき内容として「事案の発生時期、場所および死因」を挙げています。
死因とは、他殺・自殺・事故死を区別していいます。
死因が不明な場合には、不明と説明されるようです。
さて、「事案の発生時期」ということから、現在からさかのぼって、どれくらい前にその事故が起きたのかが誰しも気になることでしょう。
その気になる期間ですが、賃貸借については「宅地建物取引業者が媒介を行う際には……事案の発生からおおむね3年間」は借主に告げる、としています。
また自然死であっても孤独死をして、長期間放置されていた場合など、いわゆる〈特殊清掃〉が行われた場合などは、特別の理由がない限り3年間は借主に告げるとしています。
一方、売買に関しては期間を明示していないのです。
「考え方を整理するうえで参照すべき判例や取引実務等が、現時点においては十分に蓄積されていない」というのがその理由だそうです。
売買に関しては、今後も検討を重ねて判断していくようです。
3、隠ぺいされるケースもある
さて、ここまで、「告知」についてみてきました。
でも、事故物件であっても、事故があったこと自体が隠ぺいされてしまう場合があります。
その場合は当然に、家賃や価格が下げられることはありません。
そもそも、事故物件は、大家さんにとっては何のメリットもないものですからね。
ですので、「大島てるの事故物件サイト」は、非常に貴重です。
こうしたことの詳しい事情については、また別の記事として書いていこうと思います。
今回は、まず簡単に事故物件の基礎知識をまとめてきました。
今後、もっと深い内容の配信をする予定ですのでお楽しみにしておいてくださいね。
みなさんも今日から、私と一緒に驚くべき〈事故物件の世界〉をのぞいてみませんか?
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3、まとめ
- 〈事故物件〉こそが最も代表的な「心理的瑕疵」
- 〈事故物件〉とは、人の死にかかわる事件や事故が起こった場合にいわれるが、明確な定義が定まってはいない
- 国土交通省が、「告知」に関して、賃貸物件に関しては告知期間を3年間とするなど、ガイドライン(案)を発表しまている
- 事故物件であっても、事故があったこと自体が隠ぺいされてしまう場合がある
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