質問です!
みなさんは、自分自身のことをどれだけ愛していますか?
いきなり、突飛な質問だったかもしれませんね。
今回はその、自分を愛するということは、いったいどういうことなのかを、考えたので書いてみたいと思います。
Contents 目次
1、ナルシシスト(自己愛人間)とは
〈サルバドール・ダリ「ナルシスの変貌」〉
1、「ナルシスの変貌」
まず、サルバドール・ダリの「ナルシスの変貌」っていう絵ご存知でしょうか。
ダリはこの作品で、左側にナルシスを描いています。
右側に、卵を持った指が描かれ、卵からはナルシスの生まれ変わりの水仙が殻を破り、花を咲かせています。
自己愛によって死を迎えたナルシスが、同時に花として復活したことを描いています。
さすが、シュールレアリズムの巨匠、ダリです。
面白い作品ですよね。
このナルシスが、ナルシシスト(自己愛人間)の語源で、ギリシア神話に出てくるのです。
2、ギリシャ神話
もともとは、ギリシャ神話から出てきたナルシシズムのお話。
ナルキッソスという美青年が、池の水の中に写る自分の姿に恋をしてしまうのです。
そして水面に映った自分に接吻をしようとして、池に落ちて死んでしまうのです。
その後、池に水仙(学名ナルキッソス)の花が咲いたという話から出ています。
カラヴァッジオの「ナルシス」も有名な作品ですね。
〈カラヴァッジオ「ナルシス」〉
3、自分が好きなのは、当たり前
誰であっても、自分をいたわる気持ちは持っていますよね。
寒い、熱い、痛いといった身体的な感覚の苦痛はもちろん、精神的な悲しみ、苦悩に対しても自分をいたわる気持ちがあるはずです。
でなければ、人間は生きていけないんですから。
こうした自分をいたわる気持ちが、自分を愛することにつながっていくのです。
では、自分を愛するということと、ナルシシズムとは、どう違うのでしょうか。
2、ナルシシストの特徴
1、「自分を愛する人」との違い
では、自分を愛することは、ナルシシズム(自己愛)と言い換えてもいいのでしょうか?
わたしは、「ナルシシズム」というのは、自分を愛してはいるのですが、自分が見えていない状態をいうのではないかと考えています。
よく自己中心的な人を、ナルシシスト(ナルシスト)だと、けなす場合がありますよね。
このように、周りの状況を見ないで、自分のことしか考えていない状態の人をナルシシストというのでしょう。
こうしたことから、ナルシシストとは、自分の思いこんだ自分の虚像を愛している人だともいえそうです。
そこで、「自分はすごいんだ」「自分が正しいのだ」といった、自己中心的で尊大な行動をとるようになってくるのです。
ですので、自分を愛する人とは少し違うのです。
2、鏡で自分を見つめてみよう
鏡を見て自分を美しいと思い込んで自信を持つことは大切です。
私は以前、ブログの中で、鏡を使って美しくなる瞑想のやり方を書きました。
鏡を見て自分を美しいと思い込んで自信を持つことは大切なことですね。
でも、それが度を越してまったくの虚像になってしまうと問題なのです。
自分で思い込んだ間違った自分の虚像に惚れてしまうのがナルシシストと言えそうです。
鏡を使って、本当の自分を見つめ、創造していくことが大切なのですね。
【関連記事】みなさんも、鏡を使った瞑想法を実践しましょう。⬇︎
3、子どもに対する思い込み
実はこうしたナルシシズムは、子どもに対する親の思い込みにも表れるようなのです。
それはどういうことかいいますと、子どもを自分のものだという思い込みからきているのです。
親が子どもを自分の延長物のように思いこみ、子どもと自分を一緒にしてしまうということです。
そのため、自分が果たせなかった夢を果たしてくれるもう一人の自分として、子どもをとらえてしまうのです。
こうした親の子どもに対する気持ちの底には、ナルシシズムが大きく作用しているといえます。
ここでは子どもは、いわば自分の分身です。
それに惚れこんでいるのは、自分の幻想を愛することと同じことたどいえます。
もちろん、そうした気持ちが子どもへの深い愛情につながるのだともいえます。
ですが、その気持ちが度を越すと、子どもの成長に伴っていろいろな弊害が生じてくるのですね。
3、自己嫌悪の心理
1、自己嫌悪をする人がいる
逆に自分を必要以上に嫌悪する人もいますね。
時おり、周囲からどう見ても容姿に問題がないと思える女性が、なぜか美容整形を繰り返して、挙句の果てに不自然な美人になってしまっている人がいますよね。
このような人は、自分の容姿に対して、必要以上に嫌悪しているのではないでしょうか。
では、こうした自己嫌悪はどうして起きるのでしょうか?
それは、いやな自分を嫌悪して否定するというのは、
自分が本当はもっとマシな人間だという思い込みがある
のだと思うのです。
だからこそ、少しの失敗や容姿の不満足にたいして、大きな自己嫌悪の感情を持ってしまうのです。
自己を嫌悪することによって、そうした自分を否定しようとするのです。
2、自己嫌悪は自分に対する甘え
こうした自己嫌悪の気持ちを抱くということは、自分に対する甘えだとも言えそうですね。
それは、つまりこういうことです。
自己を嫌悪するということは、一見、自分に対して厳しい態度のように思えますよね。
でも、自己嫌悪によって否定しているのは、
「これはあくまで仮の姿なのだ」
「本当の自分ではないのだ」
という思い込みの自分なのです。
本当の自分は、こんなんじゃないのだ、と思っている。
本当は、こうなのだ、といった自己像があって、実はそれが幻想なのだということなのです。
幻想に縛られていることから、自己嫌悪というのは、自分に対する甘えといえるのですよ。
3、自己嫌悪と、ナルシシズムとは同じ心理です
つまり、本当の自分と向き合うことを避けているのです。
日常生活の節々に現れてくる本当の自分と向き合うのを恐れて、自己嫌悪に逃げてしまっている。
ですので、自己嫌悪というのは、ナルシシズムと同じ心理と言えるでしょう。
いずれも本当の自己と向き合うことを避けている状態なのです。
その意味で、
ナルシシストというのは、自分が好きな人ではなく、自分を好きになれない人である
ともいえますね。
4、おわりに
ここまでみてきましように、「自分を愛する人」とナルシシスト(自己愛人間)は違うことがわかりますね。
ナルシシストは、本当の自分と向き合うことを避けているから、周囲も見えていないと言えそうです。
では、私たちが、本当の意味で「自分を愛する」ことができるならば、それはどういった人のことをいうのでしょうか。
そして、そうなった場合、どういった変化が現れるのでしょうか?
次回は、そうしたことも考えていこうと思います。
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