みなさん、こんにちは。
みなさんは、普段の日常生活では、口を開けているでしょうか?
それとも、きちんと口を閉じたまま生活をしているでしょうか?
口を閉じたままの人は、鼻呼吸ができているということになります。
実は、口呼吸は、身体にとって、不健康なのをご存知でしょうか?
古来から現存するヨーガや仙道などでにおいて、呼吸法は口呼吸ではなく鼻呼吸を推奨しているのです。
今回は、〈鼻呼吸〉の大切さと、さらにもう一つ、凄い気体「一酸化窒素」の役割について描いてみたいと思います。
Contents 目次
1、鼻呼吸の役割と、大切さ
最近の若い人の中には、口をぽかーンと開けている人が多いそうです。
ほとんど無意識にそうなってしまっているのですが、それにより、鼻で呼吸することが不十分になったしまっているようです。
その原因としては、いろいろなことが考えられますが、慢性的な鼻づまりや、肥満があげられます。
ここではまず、鼻で呼吸することの利点を見ていきましょう。
利点として、次の5つがあげられます。
- 鼻から空気を吸うと、空気が体内に適した湿度に加湿される
- 細菌やバクリアなど体内に有害な物質を鼻によりろ過される
- それにより、きれいな体内に空気が取り込まれる
- 鼻で呼吸すること自体が、脳を刺激することになる
- 一酸化窒素を多く取り入れることができる。
今から1世紀以上前に書かれたヨガの本「呼吸の科学(The Science of Breath)」というのがあります。
そのなかで著者のヨギ・ラマチャラカは鼻呼吸と口呼吸について次のように書いています。
「ヨガの呼吸法で最初に学ぶことのひとつは、広く行われている口呼吸をやめて、鼻呼吸の方法を学ぶこと。」
「文明人がよくかかる病気の多くは口呼吸の習慣が原因になっている」
「鼻呼吸が脳卒中を防ぐ一酸化窒素を増やす」
と。
鼻呼吸は口呼吸に比べ、呼吸への抵抗が約50%大きくなります。
そのため、呼吸量が減るので体内に取り込める酸素の量が約20%増えます。
また、鼻呼吸をすると、吸い込む空気が温まり、湿度が上がります。
例えば、外で摂氏約6度だった空気は、鼻孔を通過すると、のどの奥に達するまでに約30度に上昇します。
そして最終目的地である肺に達する頃には約37度まで上昇しています。
さらに、鼻呼吸をすると、吸い込んだ空気から大量の細菌やバクテリアが除去されます。
さらに、運動時に鼻呼吸すると有酸素運動と同じ効果が得られるといいます。
このように、鼻で呼吸することは、まさに、良いことづくめですねぇ。
2、血管拡張物質・一酸化窒素とは
1、重要なのに、あまり知られていない〈気体〉
一酸化窒素は健康維持に欠かせない気体なのです。
一酸化炭素ではありませんよ。
1980年代までは一酸化窒素は光化学スモッグなどの公害の原因になると考えられていたそうです。
ですので、最初に一酸化窒素の重要性が指摘された時、にわかには信じられなかったそうです。
光化学スモッグなどの公害の原因になるガスが、体内には重要な役割を果たすなんて本当にあり得るのだろうか、と。
医学会が一酸化窒素に注目するようになったのは、比較的最近のことですが、すでに10万以上の研究が行われていて科学者の関心を集めているようです。
1998年、ルイ・J・イグナロ博士が、一酸化窒素が心血管システムで重要な情報伝達の機能を担っていることを発見し、ロバート・ファーチゴット博士、フェリド・ムラド博士とともに、〈ノーベル医学生理学賞〉を受賞しました。
その授賞理由は「循環器系における信号伝達分子としての一酸化窒素(NO)の発見」でした。
ルイ・イグナロ(Louis J. Ignarro、1941年5月31日〜)
その一酸化窒素は、 主な器官や臓器のすべてに影響を与えるだけでなく、がんなどの病気を予防する働きがあるのです。
そして、長寿を促進し、さらには寝室でのパフォーマンスも向上させてくれるのだそうです。
奇妙なことに、一酸化窒素には人生を変えるほどの力があるというのに、医学会の外では、ほとんどその存在が知られていません。
2、一酸化窒素をたくさん出すために
一酸化窒素が作られる場所は、鼻腔と、全身に張り巡らされた全長10万 km にもなる血管の内壁です。
全身の動脈は外膜、中膜、内膜の3つの層で構成されています。
〈外膜〉・・・は血管の外側を保護する層です
〈中膜〉・・・平滑筋という筋肉と2種類の線維からなる主に血管の伸び縮みを担当する層です
〈内膜〉・・・「内皮細胞」と「内皮下組織」からなっており、内膜の一番内側に〈内皮細胞〉があります。
さまざまなな病気の原因になると言われている〈動脈硬化〉は、血管の内側にある内皮細胞が障害されて、動脈硬化を起こすと言われています。
そのため、内皮細胞の機能を保つことが動脈硬化の予防につながるのです。
動脈硬化は、血管の一番内側にある内皮細胞の機能低下によって始まります。
内皮細胞は、血流が早くなると、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を産生して放出します。
すると、
一酸化窒素は中膜にある平滑筋に作用して、その結果、平滑筋の緊張がゆるんで血管が広がる
のです。
そして、血管を広げる働きは、放出される一酸化窒素の量に左右されることになります。
一酸化窒素が不足すると血管は硬くなります。
逆に十分に出ていると、血管をやわらかい状態に保つことができるのです。
3、運動の大切さ
このように重要な一酸化窒素ですが、運動によって比較的簡単に出すことができます。
運動によって内皮細胞の機能が高まり、一酸化窒素がよく出るようになるのです。
内皮細胞の機能を改善させる運動は、少し汗ばむ、中程度の運動が効果的であると言われています。
速歩やスロージョギング、室内ではベンチステップの運動などがおすすめです。
運動は、1日20〜30分間、できるだけ毎日続けてみると良いでしょう。
まとめて運動するのが大変なときは、朝、昼、夜と分けて行ってもかまいません。
週3回以上はやりたいものです。
ただし、激しい運動はかえって内皮細胞の機能を低下させて動脈硬化を進めてしまう恐れがあります。
ですので、あまり激しい運動には、ご注意ください。
3、鼻呼吸と一酸化窒素で健康になる
1、鼻歌(ハミング)のススメ
鼻から息をゆっくりすると一酸化窒素という有能な分子が肺と血液に送り込まれそこから全身に行き渡ります。
しかし、口呼吸だと鼻の奥にある一酸化窒素を素通りしてしまうため、一酸化窒素が健康に与える利点を生かすことができません。
また、一酸化窒素には肺の中の気道をも拡張する働きがあります。
ですので、体が酸素を取り込む上で、一酸化窒素はとても大切な役割を果たしているのです。
また、ハミング(鼻歌)が副鼻腔炎の予防に役立つ可能性を示唆する実験結果があります。
米国胸部学会(ATS)の学術誌、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌7月15日号に掲載されました。
それは、健常人10人を対象とした実験で、ハミング下では通常の鼻呼吸下と比べ、鼻腔内の一酸化窒素(NO)濃度が15倍に上昇したという。
研究グループは「ハミングによる空気の振動で、副鼻腔と鼻腔の間のガス交換が促進された結果」と考察、「副鼻腔炎の予防に役立つのでは」としています。
みなさん、鼻歌はお好きですか?
2、一酸化窒素のさらなる役割とは
一酸化窒素はまた血圧の調節、恒常性の維持、神経伝達、免疫機能、呼吸機能でも重要な役割を果たしています。
- 高血圧を予防する
- コレステロール値を下げる
- 動脈の老化を防ぎ、柔軟性を保つ
- 抗ウイルス作用により感染症から守る
- 動脈瘤を予防する
などの働きもあるそうです。
これら、全て心臓発作と脳卒中の予防につながります。
そのため病気のリスクが減り全体的な 健康状態が向上すると考えられるのです。
いかがでしょうか?
これまで見てきましたように、鼻で呼吸をすること、一酸化窒素を十分に出すことが、いかに私たちの健康を促進するののであるかがわかります。
あなたは普段、無意識にお口をぽかーンと開けていませんか?
4、まとめ
- 鼻から空気を吸うと、空気が体内に適した湿度に加湿される
- 細菌やバクリアなど体内に有害な物質を鼻によりろ過され、体内に空気が取り込まれる
- それにより体内にある有害物質が除去され空気が取り込まれる事が可能になる
- 一酸化窒素を多く取り入れることができる
- 一酸化窒素が作られる場所は、鼻腔と、全身に張り巡らされた血管の内壁である
- 一酸化窒素はまた高血圧を予防する、コレステロール値を下げる、動脈の老化を防ぎ、柔軟性を保つ、感染症から守る、動脈瘤を予防するなどの働きもある