今日は、お墓というものについてのお話です。
前回は、死者とお墓との関係を考えてみました。
それは、まとめると次のようになります。
- 墓地や墓石が死者を成仏させるのではない
- 大切なのは、死者の魂を冥界(冥土)に送り届ける“供養法(成仏法)”の力である
- 墓地に集まってくる霊は、「浮浪霊」、「無頼漢霊(ぶらいかんれい)」、「動物霊」などの、ごく低級な霊ばかりである
今回は、現代人にとって、お墓とはどういうものなのかをみていきたいと思います。
Contents 目次
1、「お墓」の由来
1、お墓のはじまり
お墓の意味は、遺体や遺骨を葬る場所、また遺体や遺骨を葬った場所に立てる石や木などの建造物もさすようです。
土を高く盛って築いた墓を「塚(つか)」といい、考古学上でのお墓は「墳墓(墳墓)」と言います。
お墓の語源や由来については諸説あるようです。
- 「投げ棄てる場所」を意味する「ハフル」という言葉が、変化した
- 「果処(はてか)」や「葬処(はふりか)」から変化した
- 生と死の間が遥かだという考えから「遥か(はるか)」や「儚し(はかなし)」から変化した
ざっと調べてみただけでも、このような説があるようです。
世界では、インドのようにガンジス川に死体を流す国があります。
また、鳥に食べてもらうことで魂が天に昇っていくと考える文化(鳥葬)もあります。
お墓を建てない文化もあり、考え方はさまざまです。
2、日本でのお墓
ちなみに、日本においても、お墓を建てることは義務づけられていません。
日本では、もともとお墓を持っているのは上流階級の人のみでした。
まず高松塚古墳やキトラ古墳のように立派な装飾を施した古墳が建てられました。
そうした古墳に葬られたのは、天皇や皇族、あるいは豪族といった権力者です。
一般の人には縁遠いものでじた。
それでも、甕棺(かめかん)に葬られた古代の一般の人の以外が数多く発掘されています。
そうしたことから、一般の人の間でも、なんらかの死者を弔う「葬式」が行われていたと考えられています。
昔から死者が出ると、「土葬」が一般的でした。
時代とともに、「土葬」から「火葬」が普通になり、徐々に現在にみられるような、「家」のお墓が建てられるようになったのです。
お墓には「先祖代々の墓」と刻まれているものがあるように、一族で守っていくというイメージがあります。
しかし、「火葬」の歴史が浅いことから、よほど由緒ある家柄でなければ、一般の人のお墓は、せいぜい2~3代くらいしか続いていないようです。
さらに現代では、先祖代々というよりも一代の墓や個人の墓へと変化しつつあるようです。
核家族化が増え、一家族の人数も減っているための現象でしょう。
(このあたりの事情は、前回の記事をご参照ください。⬇︎)
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2、「墓地」と「霊園」の違い
墓地・霊園といったりしますが、これらに違いはあるのでしょうか?
1、墓地とは
墓地とは、墳墓を設けるために墓地として都道府県知事に許可を得た区域をさします。
都道府県からの許可を受けて、個々のお墓を建立することができる場所、区域全体を指しています。
寺院の中のお墓が建っている場所だけでなく通路も駐車場も「墓地」ということになります。
また、墓地とは寺院の境内地にあるものという意味もあります。
墓地を購入するためには、その墓地を管理している寺院の檀家になる必要があります。
檀家関係を結ぶと墓地を建てる権利を得ることはできます。
が、それだけではなく寺院の運営の支援者にならなければいけません。
寄付や修繕費の負担をすることになります。
一番、お金がかかるといえます。
2、霊園とは
寺院に属さない墓地のことです。
霊園には、〈民営〉と〈公営〉があります。
民営霊園は、公益法人や、経営母体である宗教法人から委託を受けた民間企業がか運営・管理を行っています。
公営霊園は都道府県や市町村などの自治体が運営をしています。
霊園は、宗派を問わずにお墓を建てることができるのが便利なところです。
寺と檀家関係を結ばないので、無宗教でもかまわないということになります。
戒名を授かる必要もなく、多額の戒名料を支払う必要もなくなってきます。
葬式の形式も自由に選べます。
さらに、民営の霊園では、区画面積や墓石のデザインを自由に選ぶことができることもあって、人気が高まっています。
お金に余裕があるならば、故人が好きだった物の形をした墓石や、あたかも彫刻の芸術作品のような墓石もつくることができます。
また、駅からの送迎バスがあったり、施設内のサービスが充実しているところもあります。
〈民営霊園〉は〈公営霊園〉と比較すると管理費や永代使用料が高い場合が多いようです。
ですので、費用の面では公営霊園が最も経済的と言えるでしょう。
諸経費の低い公営霊園は、人気が高いところでは、抽選になるケースも少なくありません。
「墓地」と「霊園」、いずれも多少の違いはありますが、どれもお墓がある場所という意味では同じです。
3、現代人にとってのお墓とは
「土葬」から「火葬」へと変化してきたこともあり、戦後にはお墓を持つのが当たり前のようになってきました。
しかし、少子高齢化・晩婚化・非婚化が進む日本ではお墓のかたちも変わってきています。
そうしたことが要因になって、つぎのような気持ちになる人が増えてきたようです。
- 家のお墓が遠い土地にあるから困っている
- 新しいお墓にお金をかけたくない
- お墓を継ぐ人がいなくて、どうしよう・・・
こうしたこともあって、「もう、お墓なんかいらない」という人も増えてきているようです。
このように「お墓は継承するもの」「長男がお墓を守る」という考えは薄れてきたようです。
お墓は継承者の苗字が異なっても問題はないようですが、お墓の継承に関して民法では明記していないようです。
そうした継承者がなければ、お墓は「無縁化」します。
つまり、お墓は後継者の存在が前提になるのです。
家にお墓の跡継ぎがいなくなれば、それを守り続けることが出来なくなってしまうのです。
2、永代供養墓とは
そうしたこともあって、「永代供養墓」を利用する人が増加しています。
これは、「永代供養料」を設定し、あらかじめ一定の金額を支払うことで、後継ぎがいなくなった場合にも供養されるというシステムです。
永代供養墓は、お寺や霊園が建てたお墓で、家族に代わって供養や管理をしてくれます。
もちろん、自由にお参りすることができます。
さらに、お参りする人がいなくなっても供養や管理をしてくれるので、無縁仏になる心配がありません。
この永代供養墓にもさまざまな形態があるようです。
個人墓や納骨堂形式のもの、合同墓などがあります。
また、三十三回忌までは個人単位で供養されるものの、その後は合祀するところもあります。
永代供養の場合、生前に永久供養料の支払を済ませておく場合が多く、死んだ後に親せきや家族にお金の負担をかけなくて済むというメリットもあります。
このように現在、無縁墓地が増えており、継承者が減っているという現実があります。
この先、先祖のお墓を継承する人がいないという問題はますます増えることでしょう。
4、ヨーロッパではお墓まいりはない
お墓があるのは、もちろん日本だけではありません。
映画や海外ドラマで、たまにお墓のシーンが出てきたりするのを見たことがある人も多いでしょう。
また横浜の外国人墓地に行くと日本のお墓とは違うお墓を見ることができます。
「お墓離れ」の傾向があるといいましても、現在の日本人にとっては、やはり墓参りは非常に身近な習慣です。
20代以上の女性に対して2002年(平成14年)に行った調査では、その8割が「1年以内に墓参りに行った」と答えています。
お墓参りの慣習は、日本以外の東アジアでも共通します。
中国や台湾、韓国では、熱心にお墓参りをします。
沖縄に行かれた方はご存じでしょうが、お墓の形態が本土のそれとは違います。
門中墓(もんちゅうばか)という一族の大きな墓があり、墓参りの折には家族、親族が集まって掃除をして持ち寄った料理を一緒に食べるそうです。
奄美大島のお墓は、本土のそれと変わりはありません。
ヨーロッパになると、「墓参り」の慣習はほとんどないそうです。
お墓は故人を葬る空間にすぎず、残された家族が命日などにその墓に参ることはない。
個人墓が主流で、「家」の墓というのはありません。
墓参りをしないので、遺族も墓の場所を忘れてしまうことがしばしばです。
墓に参ることがあるとすれば著名人のものに限られるそうです。
【参考記事】死後の世界や輪廻転生については ⬇︎
【関連記事】不成仏霊とは、どんな存在なのか?その影響は⁉︎ ⬇︎
5、まとめ
- 墓地や墓石が死者を成仏させるのではない
- 大切なのは、死者の魂を冥界(冥土)に送り届ける“供養法(成仏法)”の力である
- 墓地に集まってくる霊は、「浮浪霊」、「無頼漢霊(ぶらいかんれい)」、「動物霊」などの、ごく低級な霊ばかり
- 「墓地」とは寺院の境内地にあるもの、霊園は、寺院に属さない墓地
- 少子高齢化・晩婚化・非婚化が進む日本ではお墓のかたちも変わってきている
ここまで、現代のお墓事情をみてきました。
先祖の供養のためには、お墓は大切ですが、それだけでは不完全でしょう。
いちばん肝心なことは、正しい“供養法(成仏法)”を修することなのです。
大切な人が亡くなった時の備えに、このブログ読者のみなさんのお役に立つことが出来れば幸いです。
【参考文献】 『守護霊を持て』(平川出版社・桐山靖雄著)
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