みなさん、こんにちは。
今日は、健康を維持するための問題として、セカンド・オピニオンについてまとめてみました。
私たちは、身体になんらかの症状が出て、“病気”になってしまったら、時には病院で本格的に診察してもらうことになります。
その場合、医者の診断や、その治療法が自分の症状に本当に適切なものかどうか、疑問に思う場合がありますね。
- 本当に、こんな病気になってしまったのだろうか?
- この治療法が、本当に一番良いのだろうか?
- 治療しないで、なんとかならないのだろうか?
- 入院しなければいけないのだろうか?
などなど。
特に、いわゆる〈重病〉と言われるような病気の場合はなおさらですねぇ。
こうした場合には、役に立つのは〈別の医者の意見を聞く〉ということです。
これが『セカンド・オピニオン(第二の意見)』です。
セカンドオピニオンを希望する場合は、まずは主治医に相談することになります。
そして、現在の病状の情報、つまり、検査データや画像データなどの資料を主治医からもらい、それを他の医師に見てもらって意見を聞くことになります。
第三、第四の意見も聞いても構いません。
ここでは、セカンド・オピニオンを聞く場合の、その効用と問題点、コツと、さらには裏ワザをあげてみたいと思います。
1、セカンド・オピニオンの3つの効用
セカンド・オピニオンの効用は、大きく次の3つがあげられます。
- 患者が医者の〈誘導〉から逃れやすくなる
- 主治医の意見を絶対視しなくなる
- 自分で納得がいく治療法を選ぶことができやすくなる
1、医者の〈誘導〉から逃れやすくなる
医者は、その病気にいくつかの治療法がある場合にも、しばしば一つの治療法を強く勧めてきます。
だいたいは、その治療法はその医師が得意とする治療法ですね。
治療法に手術と内科的治療法がある場合、外科医は手術を勧めるでしょうし、内科医は内科的治療法を勧めがちになります。
もちろん、すべての医者がそういうわけではありません.
でも、自分の専門分野ではない治療法は、患者に対して詳しく説明ができない(あるいは、説明するのが気が引ける)というところもあります。
セカンド・オピニオンを聞くと、そうした医者の〈誘導〉を見抜くことができるようになります。
2、主治医の意見だけを絶対視しなくなる
医者が信頼できそうな雰囲気を漂わせていると、その医者を絶対視してしまいがちになります。
そうすると、他に治療法があったとしても、一つの治療法に〈誘導〉されてしまいます。
しかし、セカンド・オピニオンを受けるために別の医者に行くと、治療法のみならず、主治医の意見や雰囲気、人格などを比較することができるようになります。
これが第二のメリットです。
3、納得がいく治療法を選ぶことができやすくなる
セカンド・オピニオンを聞きに行って、もし別の医者が、最初の医者と同じ意見(治療法)ならば、患者としてはその治療法を安心して受けることができます。
その場合でも、入院日数や手術後の経過など、医者の説明に違いがあると良い参考になります。
さらに、治療法が最初の医者と違う場合には、より自分が納得する治療法を選ぶことができるようになります。
これは大きなメリットですよね。
難点といえば、セカンド・オピニオンにはお金がかかる、ってことくらいでしょうね。
2、セカンド・オピニオンの3つの問題点
セカンド・オピニオンにも問題点が考えられます。
ここでは、次の3つの問題点をあげてみます。
- 患者が主治医に「別の医者の意見を聞いてみたい」「これまでの検査資料を貸してください」と言い出しにくい
- セカンド・オピニオンを、どこへ行って聞きに行くか、がわからない
- 他の病院で意見を聞いていると、治療を開始するまで時間がかかってしまう、という心配が出てくる
1、主治医に「別の医者の意見を聞いてみたい」「これまでの検査資料を貸してください」と言い出しにくい
外国と違って特に日本では、医者~患者の関係は、いわば上下関係のようになる場合が多いです。
最近はそうでもないかもしれませんが、かつては、セカンド・オピニオンなどと言えば「俺のことを信用できないのか」と患者を怒鳴りつけた医者も大勢いたようです。
患者としては、セカンド・オピニオンを申し出ることは、あたかも主治医に対する決別宣言のように考えてしまいがちです。
そのため、主治医に内緒で、こっそり、別の病院に行って、最初から診察を受ける人も多いようです。
ただ、その場合は、新たに最初から検査をやらなけらばならなくなり、費用がかかります。
しかも、レントゲンやCT検査の場合、〈被曝〉の量が増えることになります。
ですので、やはり、別の医者の意見を聞きたい場合は、セカンド・オピニオンを申し出る方が良いでしょう。
セカンド・オピニオンを聞くことによって、患者側には何の不利益も生じない
ことを知っておくべきです。
セカンド・オピニオンの本来の目的は、単に別の医者の意見を聞きに行くというだけのことだからです。
患者が戻ってきたら、元の主治医としては、「やっぱり、ぼくが一番だよね」と自尊心がくすぐられ、より親身になって診てくれるようになります。
逆にもし、別の医者のところに行って、違う治療法を勧められて、そちらの方が良いと思った場合はどうでしょう。
その時はもう、元の病院には戻る必要はありません。
ですので堂々と、セカンド・オピニオンを申し出ましょう。
ココが考えどころ
セカンド・オピニオンを提供した医師は、元々の主治医の治療方針に対して意見を述べるにとどまる、と言われます。
しかし、医学知識に関して素人の患者としては、セカンド・オピニオンの医師の治療方針があまりにも違いがあれば、元の医師にそれを告げて治療方針を覆すのが困難なのは当然でしょう。
2、セカンド・オピニオンを、どこへ行って聞きに行くかわからない
実は、セカンド・オピニオンに関しては、これがいちばんの問題かもしれません。
そのためには、その病気に対してどのような治療法があるかを自分で調べてみることです。
同じ病院内で、同じ診療科の医師にセカンド・オピニオンを聞くと、治療方針が近いのであまりお勧めできません。
別の治療法を専門にしている医師に聞くことで多角的な判断がしやすくなるでしょう。
同一病院であれば、他科の医師が良いでしょう。
たとえば「がん」であれば外科、放射線科、腫瘍内科など、それぞれに聞くと良いでしょう。
別の病院であれば、同じ診療科であっても、別の治療法を標榜しているところが良いでしょう。
同じ病気の患者数が多い病院などを自分で探すという方法もあります。
この場合、大学病院や、専門病院には要注意です。
そうした病院は、主治医が新米の医者になることもあるからです。
3、他の病院で意見を聞いていると、治療を開始するまで時間がかかってしまう
その間に、病気が進行してしまって手遅れになるのではないか、という焦りが出てくることです。
その焦る気持ちに付け入るように、患者を手術に駆り立てる医者もいるから要注意です。
これは、病気の種類によって違いが出てきます。
でも、すべての病気が、急いで治療を始めなければならない、ということではないようです。
たとえば、「がん」と告げられると、一刻も早く治療しなければ、と誰しも思いがちになります。
でも、「がん」と診断されても、焦る必要はないようなのです。
なぜなら、がんは思うほどには早く大きくはならないからです。
「がん細胞が体内にできて、臨床的に確認できる1ミリ以上の大きさになるまで、平均二十三年かかる」(外科医、竹中文良氏)そうです。
また、
「早期胃がんを放置しても殆ど変化しないなどということは、日本の専門医にとっては今や常識以前のこと」(癌研病院内科部長、丸山雅一氏)
だそうです。
進行癌が発見された場合であっても、直径が倍になるのに平均9ヶ月かそれ以上かかっているそうです。
ですので、セカンド・オピニオンを聞きに行くことには、問題はないのです。
「早く治療しなきゃ」と、焦る必要はありません。
3、手術前のギリギリでの、セカンド・オピニオン
1、手術間近になっても、セカンド・オピニオンはOK
では、診断を受けて、手術日などが決まってから、すでに入院している段階で、セカンド・オピニオンを得たくなった場合はどうすれば良いでしょうか?
その場合は、手術などが迫っている場合には、手術の延期とセカンド・オピニオンを得に行きたいということを医者に申し出れば良いのです。
その時の医者の対応ないし反応は、その医者に手術を受けるかどうかの判断材料にもなります。
では、手術が明日に迫っているのに、それを受けたくなくなった場合はどうすればよいでしょうか?
たとえ手術日が翌日に迫っていても、患者には手術を受けなければならないという義務はありません。
きっぱりと手術の中止と、セカンド・オピニオンを得に行くことを申し出れば良いのです。
しかし、体調も悪いし、気分も滅入っているときに、セカンド・オピニオンを申し出ることは勇気がいるものです。
2、「夜逃げ」という裏ワザもある!
最後の手段は、「夜逃げ(朝逃げ)」という方法があります。
最後の手段
手術前ギリギリになって、どうしても言い出しにくい場合は、「夜逃げ(朝逃げ)」という方法もあります。
方法としては、次のようにします。
まず、病衣にガウンを着ただけの格好でふらりと外に出るのです。
そしてタクシーに飛び乗って、家に帰るのです。
この場合、通常の外出着に着替えてしまうと、看護師などに見つかって見咎められてややこしくなってしまうので注意しましょう。
こっそりと家に戻って、その後で病院に電話を入れて、急に気が変わって迷惑をかける旨を詫び、会計に後日伺うことを伝えます。
荷物は後で誰かに取りに行ってもらうことにします。
あとで、医者や看護師が非難の言葉を浴びせかけてきたら、「不安で仕方がなかったのです」とでも言えば良いのです。
4、セカンド・オピニオンを受けると決まったら、どうするか
1、主治医に、遠慮する必要はない
さて、どこでセカンドオピニオンを受けるかを決めたら、まず主治医に伝えることになります。
その時の伝え方ですが、遠慮したり気を使うのではなく、むしろ淡々とした表情で話すことです。
セカンド・オピニオンは誰でもがやっていることですから。
「手術が怖いので」というのも一つの方法です。
あらかじめ看護師に先に伝えておくのも良いでしょう。
次に、セカンド・オピニオンを聞きに行く病院が決まったならば、まず予約をとります。
そして、必要な書類が何かを尋ねて用意します。
では、セカンドオピニオンを受けるために必要な書類はどういうのをいうのでしょうか。
それは、次のものになります。
- 診療情報提供書(いわゆる紹介状)
- 検査データ
- 画像データ
などです。
あらかじめこれらの必要な書類を確認して、出来るだけ早めに用意しておきましょう。
2、あらかじめ聞きたいことをメモしておく
また、セカンド・オピニオンは時間で費用が決められています。
ですので、セカンドオピニオンを受けるときには、あらかじめ伝えたいこと、聞きたいことを整理し、自分の病気の経過と質問事項をメモしてから行くと、限られた時間を有効に使えます。
できるだけ、ひとりではなく信頼できる人に同行してもらうとよいでしょう。
セカンドオピニオンにかかる費用は、病院ごとに異なります。
セカンドオピニオンを受ける費用は保険適用外となります。
(保険が適用されないのが、欠点なんだなぁ!)
病院によってかなりの違いがあり、一時間10,000円〜40,000円と幅があります。
あらかじめネットなどで、かかる費用も調べておく方が良いでしょう。
ちなみに、全国のがんのセカンド・オピニオン外来は、次のリンクから調べることができます。
さて、こうしてセカンド・オピニオンを聞いて、それでもどうしても治療法に納得がいかず迷う場合はどうすれば良いでしょうか?
その場合は、とりあえず何もせずに現状維持の方向で考えてみるのも一つの方法です。
〈迷う〉ということは、どの治療法にも患者を納得させるだけの医学的データや実績がないことの証拠です。
ただし、副作用や後遺症は治療法によって大きく異なってきますので、慎重に調べてようにしましょう。
迷って大きな手術を受けて、後で後悔するのは避けたいものですね。