皆さんは、「生まれ変わり」って信じるタイプでしょうか?
・はい、私は「生まれ変わり」を信じています。
・私は、うっすらと前世の記憶がありますから、「生まれ変わり」はあります。
・生まれ変わりなんて、そんなこと絶対にありえない。作り話ですよ。
・わからない。でも、もし前世とかがあったら面白いよねー。
いろいろな方がおられるでしょう。
実は、「生まれ変わり」については、それが実際にあることを示す例が多数報告されているのです。
いろいろとあるのですが、今回はまず、『生まれ変わりの村①』(森田健著、河出書房新社)に多数の実例が載せられています。
その中から2つの事例から引用して、ご紹介したいと思います。
著者によると、中国奥地に前世を記憶する人がたくさんいる村があり、そこでの調査だということです。
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Contents 目次
1、二児の母として死んで、今でも母性愛を引きずる男
まずは、女性から男性に生まれ変わった人です。
この人の場合、前世では自分が死んだことに気づかないまま次の生を受けています。
〈前世(女)〉・・・6歳の男の子と3歳の女の子を残して、32歳で亡くなった女性
〈死んでこの世を彷徨った様子〉
子どもたちに何かを食べさせなければと思い、ベッドから起き上がりました。
あとから思えばこの瞬間すでに死んでいたのです。
しかし、私には死んだという感覚はなく、普段どおりにドアから家の外に出ました。
(中略)
フラフラしていた私は門の空いている家を見つけ、そこに入って行きました。
その家の中には、臨月を迎えた妊婦がいたのです。
〈今世(男)〉
妊婦を見た次の瞬間、突然、涼しいような、冷たい水の中に落ちるような感じがして、震えました。
ふと見ると私の体が手も足も小さくなり、赤ちゃんになっていました。
このとき初めて、私は死に、さらに生まれ変わったのだということがわかりました。
これは死んでから三日目の出来事でした。
今度は男性になりました。
(中略)
今世の私は学校にはあまり行かなかったのですが、テストの成績はよかったです。
前世ではお金持ちの家の子どもだったので、本などをよく呼んでいたため、それが今世でも記憶として残っているからです。
大人で死んだ前世での「私」という感覚が途切れていないので、子どもの頃から大人の心を持っていました。
だから遊ぶときも私より年上の人と遊ぶ方が好きでした。
小さいときはセーターを編んだり、はたを織ったり、服を縫うのが大好きでした。
性格は今でも女性的だと思います。
料理を作るのも得意です。
この事例では、前世では、死んだ後も自分が死んでしまったことに気づくことがなかったようです。
そしてそのまま外に出かけて、現在の母親となる女性(妊婦)のところにたどり着いたようです。
特にその母親を探し求めていたわけではなく、“偶然に”妊婦のところに行っているわけです。
そして、死んですぐに、その女性(妊婦)の赤ちゃんとして、生まれ変わったというのです。
いわゆる「死後の世界」を知らずに、再び生まれ変わった事例です。
前世で二人の幼い子供を持つ女性であったため、今世では、男性に生まれ変わったにも関わらず〈母性愛〉を持っているようでした。
また、この人の場合「前世から今世に至るまで、『私』という感覚に切れ目はありませんでした」ということです。
2、突然手が小さくなり、生まれ変わったことを知った女性
この事例は、前世だけでなく、前々世も記憶している例です。
前々世は男性で、前世と今世は女性として生まれてきた人です。
〈前々世(男)〉・・・家は農家、子供は男の子と女の子が一人ずついた。30歳で死亡
〈あの世〉
前々世から前世への生まれ変わりまでには三年も間が空いています。
しかし、その三年間の記憶はありません。
〈前世(女)〉
前世は女性で一九歳のとき結婚しました。
そのとき嫁いだ部落が、なんと前々世で死んだ場所だったのです。
しかし、そこで夫にいじめられ、離婚され、それが原因で病気になって死んでしまいました。
二十三歳のときです。
〈あの世〉
死んだとき、「死んではいけない、この世にまだ縁があるから生きなさい」という声が聞こえてきました。
人生の終わりはまだきていないよとでもいうように、誰かに背中を押された感じがありました。
この手の話では、死んだ魂が再び同じ肉体に生き返ることが多いようです。
でも私の場合は、生き返ったと思ったら、なんと突然手が小さくなり、今世の赤ちゃんになってしまったことを知りました。
〈今世(女)〉
五キロしか離れていない部落に生まれました。死んでから生まれ変わるまでわずか一時間です。
(中略)
私は生まれたときから、前世の夫の名前、息子の名前を覚えていました。
(中略)
初めて前世の息子にあったときは懐かしさでいっぱいでした。
今も付き合っています。
私をお母さんと呼んでくれるのです。
この事例では、前世だけではなく前々世の記憶も持っていました。
前世においては、前々世(一つ前の人生)の記憶はなかったようです。
しかし、今世に生まれ変わってから、前々生の記憶をも思い出したと言います(ちょっと複雑ですが)。
さらに、前々世と前世の間には約三年間の〈あの世〉での時間があったようです。
そして、前世と今世では、〈あの世〉に行くか行かないかの間に「死んではいけない」という〈声〉を聞き、すぐに今世に生まれ変わっています。
なんと、死んでからたったの1時間ほどで、次の生を受けているようです。
しかもその時の記憶を持ったままでです。
では、この〈声〉はいったい誰の声なのでしょうか?
こういったお話の場合、いわゆる〈霊能者〉や〈スピリチュアル系〉の人などは、「守護霊(指導霊)」の声だ、とよく言います。
あるいは、本人自身の深層意識の声なのかもしれません。
誰の声なのかはわかりませんが、こうした「死んではいけない」といった声を聞いた場合は、たいていの場合は、また元の肉体(死ぬ前の肉体)に戻って、死なずに生き返ることが多いようです。
この場合は「臨死体験」として語られます。
ですが、この人の場合は、〈声〉を聞いたにも関わらず、別の人間として赤ちゃんになって生まれ変わっているのです。
そして、前世での夫の名前も息子の名前も覚えているのです。
3、運良く人間に生まれ変われて、良かった
いかがでしたか?
今回は、生まれ変わりのはっきりした記憶を持っている人の話を例に挙げました。
生まれ変わりのお話は、この本以外にもたくさん報告されています。
世界的に有名な『前世を記憶する子どもたち』(イアン・スティーヴンソン著、日本教文社)にも、いろいろなタイプの生まれ変わりの実例が載せられています。
また、『チベットの死者の書』は非常に有名ですね。
その中には、〈死後の世界〉が詳しく描かれています。
人によっては、死後、非常な苦しみを味わっている話などもあるのです。
そしてさらには、運よく人間に生まれ変わることが出来れば良いのですが、そうではなく動物や爬虫類に生まれる、といった話もあります。
そうした話と比べると、上にご紹介しました「生まれ変わり」のお話は、ずいぶんと穏やかなものです。
この違いを、いったいどう考えればよいのでしょうか?
4、前世の話を読む場合、その注意点
こうした「前世の記憶」の話を聞いた場合に、注意しておかなければいけないことがあります。
それは、
「これらの事例は、どこまでも〈順調に〉人間に生まれ変わった人の事例だ」
ということです。
前世の記憶がある人の話は、いくつかの条件がそろって成り立っているということです。
それは、
1、順調に人間に生まれ変わることができたこと
2、前世の記憶を持っていること
3、それを話すことができること
です。
たまたま、いくつかの条件が揃って、〈運良く〉人間に生まれ変わることができた場合の事例だということです。
もし、人間以外の動物に生まれ変わったならば、当然ですが、その動物に前世のことを尋ねても、インタヴューは行えません(話すことはできません)。
それは例えれば、
キノコを食べた人に、
「そこの山で採れたキノコは、食べても大丈夫ですか?」
と質問するようなものです。
その人は、
「はい、私はキノコを食べましたが、この通り大丈夫ですよ」
と答えるでしょう。
でももし、非常に似たキノコを食べて死んだ人がいたとしても、その人には質問することすらできないでしょう。
すでに死んでしまっているのですから。
それと同じことです。
前世の記憶を持って人間に生まれ変わった人の話をきいて、〈すべての人が〉同じような生まれ変わりをする、と考えると、大きな間違いになります。
人によっては、来世は動物になってしまうかもしれません。
いや、この世に再び肉体を持って生まれることがないかもしれないです。
今後、こうした問題を探求して行きたいと思います。
今回は、まずは、
「人間は、死んでそれで終わりではないのだ」
「死後の世界、生まれ変わりがあるのだ」
という事を、例をあげてご紹介したいと思いました。
今後の記事では、他のタイプの「生まれ変わり」の話をしていこうと思ってます。
そして、今回取りあげました「生まれ変わり」の場合と、いかに違うかを検証していきたいと思いますので、お楽しみにしてください。
乞うご期待!
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