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〈ブラックな会社〉で酷使された人は、なぜ「お詫び」をするのか?・・・〈退職力〉を磨け!

こんにちは。

 

みなさんの、お仕事の方は順調にいっているでしょうか?

 

もしもブラックな会社に入ってしまった場合、最悪の結果として考えられるのが、

「過労による病気死亡」と、「過労自殺」

ですね

 

今回は、おもに過労自殺をしてしまう人の心理状態の特徴と、その防止方法を考えてみたいと思います。

 

Contents 目次

1、入社してみて、シマッタ!

1、入って見なければわからない会社の実態

 

 

希望を持って入社した会社が、ブラック企業だった!

 

こんなことがしばしば聞きますね。

 

企業の風土や雰囲気、人間関係などは、外側からは決してわからない部分が多いものです。

募集の広告にはあたかも社員が皆、やりがいを持って働いているような感じを出していたりします。

 

でも、実際に入社してみると、

  • 上司の怒声は日常茶飯事
  • パワハラも当たり前に行われていて、もはや違和感も感じない職場の雰囲気
  • 毎月何十時間、百時間を超える残業も普通にあったりする
  • 結局、時間で計算するとかなりの低賃金で酷使されている

 

といった場合がよくあります。

 

そのため、短期間で退職する人も多かったりするのです。

 

こうしたことは、その会社に入社してみて初めて分かる、会社の実態なのです。

 

2、次第に感情が麻痺する

 

そしていつしか、自分の心身はボロボロに疲れてしまい、視野も狭くなって、正常な感覚を見失ってしまいます。

 

その会社に所属していて、いかに無難に日々を乗り切るかが全てとなり、パワハラ・セクハラや過重労働に対して抗議する気力すら起きない状態になってしまう。

上司や会社に対して批判するという考えすら起きなくなってしまう。

 

そこまで感情が麻痺してしまうのです。

 

そしてずるずると心身をすり減らしってしまって、最悪の状態として過労で倒れて死亡してしまったり、自ら命を絶ってしまう場合もあるわけです。

 

完全に心身のバランスを崩してしまっているのです。

 

ここで休職したり、退職するなりして、その状況から抜けだすことができる人は良いのです。

でも、実際にはなかなかそうはいかないのが現実です。

 

では、なぜそこの状態になってしまうのでしょうか。

 


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2、「遺書」の特徴

 

ここではまず、過労自殺をした人の遺書をいくつかみてみましょう。

 

遺書といわれるものには、本人が家族に宛ててきっちりと「遺書」として残している場合があります。

または、ノートなどに簡単なメモ書きのように残している場合もあるようです。

 

人それぞれ状況が違うため、いろいろな遺書があるようです。

 

ただ共通する傾向というものもみられます。

 

それをみていきましょう。

 

(医療情報関連者の遺書)

このままだと本当にみんなに迷惑かけっぱなしになってしまいます。

(中略)

配置転換・転勤・転職等、他に選択肢もあるし、家族のことを考えると大馬鹿者ですが、もう自分自身気力がなくなりどうにもなりませんでした。所長の期待を裏切ってすみません。またこの忙しい時期に勝手なことをして本当にごめんなさい。本当にご迷惑おかけしました。申し訳ありませんでした。

 

(技術者の遺書)

皆様にご迷惑をかけます。仕事についていけないことをお許しください。今まで仕事をやってきて、自分の決断力など力のなさを感じ、このまま仕事をつづけていても、皆に迷惑をかけるだけなので、死にたいと思います。ご迷惑をおかけしました。

 

(技術者の遺書)

会社の人々には大変な心配、迷惑をかけているのですから、会社のことは恨まないでください。・・・残っている人々には、申し訳ありません・・・

 

(課長の遺書)

部長殿

だらしない部下をもって本当に申し訳なく思っております。期待にこたえるべくガンバリましたが、力及ばずの結果となってしまいました。この上は、命に代えてお詫び申し上げますと共に、社長はじめ人事部、会社の方、組合の方々、関係先の皆さんに深く深くおわび申し上げます。大変な時期にこんなことになり、真に申し訳ございません。

 

過労自殺した人の遺書は、家族や会社に対する

「お詫びの言葉」が多いのが特徴

です。

 

内容は、会社やその上司、同僚に対するお詫びだけではなく、場合によっては、社会全体に対してお詫びをする内容も見られます。

 

このように会社や上司に対する批判よりも、むしろ自らを責める表現が目立っているのです。

 

過労自殺の遺書では、自らを死に追い込んだ会社に対する抗議の言葉が少ないようです。

また、実現不可能な課題を与えて苦しめられた上司に対する怒りの言葉を見ることも少ないといいます。

 

本来ならば、無理難題を言った上司に対して、強い抗議の言葉が出てくると思われます。

 

ですが、

自らの死を考えるまでに心理的に追い込められてしまうと、もっぱら、期待に応えられなかった自分を責める心理になってしまう

のがわかります。

 

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3、「遺書」・・・なぜ、抗議ではなく、お詫びなのか?

 

1、〈お詫び〉の気持ちがメインになる4つの原因

 

『過労自殺』の著者川人博氏によると、過労自殺する人が、会社や上司に対して抗議するよりも、「お詫び」の言葉が多くなっている理由を、次の4つをあげています。

 

  1. 「うつ病」になっている
  2. 自分を追い込んだ「敵」が見えにくい
  3. 日本特有の「会社人間」の意識
  4. 過重労働やパワハラに対する現実的な解決方法がみつからない。

 

1、精神医学的に考えた場合。

本来、個人の力では解決不能な課題なのに、それが達成できないと自分の責任だと感じるのは、うつ病の症状そのもであると説明されます。

自責の念を表明する遺書は、うつ病に陥っている証左であるといえます。

 

2、事例によっては、自分を追い込んだ「敵」が見えにくいことがあげられます。

国内外の過剰競争や会社組織の構造的な原因で、過重な業務に追い込まれます。

そうした状況によって、「誰々が悪い」と特定しにくいのです。

 

3、日本においては、中高年労働者の場合、「会社人間」と呼ばれる滅私奉公型の意識で長年生きてきた人も多い。

そうした人にとって、自らの死によって会社組織に迷惑をかけるという気持ちから、自然にお詫びの言葉がててくることがあるかもしれないようです。

 

4、個々の労働者にとって、職場での過重労働やパワハラをやめさせるために、経営者や上司の理不尽さに対して戦って解決するということが現実的に想定しがたい。

また、労働組合がない職場が多く、あっても、会社に従順な「御用組合」で頼りにならない場合も多いのが現状のようです。

 

 

遺書の中には、パワハラを行なった上司の名前を明記している遺書もあります。

 

でも、その場合であっても、彼らに抗議するというのではないのです。

それよりも、自らの気力が失われたことを自殺の原因としていることが多いようです。

 

うつ病に陥った場合には、心の方向が、自分に向かってしまうのです。

 

ですので本来、抗議すべき会社や上司に対して、具体的な行動を起こすことができなくなってしまうようです。

 

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2、心身のバランスを崩すとき

 

上司や先輩の同僚からのパワハラやセクハラなどの嫌がらせが日常茶飯事になってくると、人によっては「自分はダメ人間なのだ」と思い始めてしまいます。

 

そうなると実現不可能な課題を言われた場合でさえも、できないことが自分の責任だと思い込んでしまうようになっていくのです。

 

また、長時間の労働を強いられたり、休日返上で出勤する日々が続いたりすると、帰宅しても自分の時間がほとんどない状態になります。

 

 

そうすると、

仕事以外のことが考えられなくなり、〈自分〉というものが失われてしまう

のです。

 

そのため「心身の喪失状態」に陥るのです。

本人の気づかないうちにこうした状態になってしまうのです。

 

こうなると、もう「仕事を休む」とか「辞める」ということまで思考が及ばない状態になってしまいます。

 

本人のごく表面の意識では「もっと休みたい」「辞めたい」と思っても、それを実行するための具体的な行動にはうつることができない。

 

そして、自ら命を絶とうとまで思いつめる状態になってしまう場合があります。

そうなった時には、死ぬことがいかに大きな損失であるか、そして、家族や周囲の人がいかに悲しむかといったことにまで考えが及ばなくなってしまいます。

 

 

 

4、死なないために、どうする⁉︎

では、上にあげたような、心理状態にならないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

1、その一歩手前を見極める

 

「うつ」や「心身の喪失状態」になってしまってからでは、急速に判断能力が失われしまい、危険な状態に陥ってしまいます。

 

ですので、遅くてもそうなる一歩手前の段階で、自ら状態を食い止めなければなりません。

 

あるいは、自分だけではなく、大切な家族がそのような状態に落ちいってしまうやもしれません。

家族がそのような状態になった場合には、それを助けなければいけないのです。

 

では、そうした場合にどうすれば良いでしょうか。

 

会社を辞められない理由の大きな理由は、生活費が稼げなくなることでしょう。

経済的にかなりの余裕があれば良いのですが、そうではない場合、住宅ローンが払えなくなるなどの問題があります。

 

また、短期間に会社を辞めるのはどうかという、世間体もあるかもしれません。

 

でも、そこは考えようです。

もっと視野を広げて考えてみましょう。

そもそも、自分が死んでしまうことになってしまっては、すべてを失ってしまうからです。

 

2、「辞めない」か「辞める」か天秤にかける

 

こうした場合には、このまま苦しい思いを続けながら仕事を続ける場合と、いっそうのこと、その仕事を辞めて別の仕事を探す場合と、どちらが得なのかを天秤にかけて考えましょう。

 

仮に、現在の会社にい続けた場合、これからもずっと長時間労働を強いられたり、上司などからのパワハラ・セクハラに耐えなければなりません。

いや、そうした会社は日を追うごとにますますそのひどい状態は悪くなっていくものです。

 

「こいつはまだ使える」

などと思われて、いいように利用されるだけです。

 

そして、あなたの心身の状態は、今よりももっと悪い状態になっていくのが予想されます。

 

 

たとえ今の会社での収入がこれからも安定してあるとしても、身体的にも精神的にも病気になってしまっては、トータルで見たら、かなりの損失になるのではないでしょうか。

重大な病気になってしまっては、その会社を辞めたとしても、もう他の仕事に就くことも難しくなることも考えられるからです。

 

 

このように考えていくと、果たして、今の会社に我慢して働き続ける必要があるのでしょうか?

 

そうしたことも考えて、「辞めない」「辞める」を天秤にかけて考えてみましょう。

 

3、自分の中の〈限界点〉を見極める

 

人間には我慢の限界があります。

心身ともに、ここを超えるともう我慢はできない、という〈限界点〉があるのです。

 

それは人によって、どの状態になったときが〈限界点〉なのかは、違うでしょう。

体力も違うし性格もそれぞれ違うからです。

 

私などは、意志が弱いから簡単に〈限界点〉に達してしまう方です。

 

 

そこで、

「こういう状態になったら辞める」という明確な〈限界点(分岐点)〉を、自分の中で設定しておく

のです。

 

「これ以上、休日出勤が増えたら、辞める」

「次に理不尽な、実現不可能な課題を与えられたら、辞める」

「残業時間が○○時間になれば、辞める」

「睡眠時間が○○時間、しっかり取れなくなれば、辞める」

 

など。

 

自分の中で、〈限界点〉を決めておき、それを超える時には、退職するようにしましょう。

 

 

自分から退職を言えない時などは「退職代行」を使うなどの方法もあります。

 

仕事を辞める場合の具体的な方法については、私の前の記事をご参照ください。⬇︎

〈退職力!〉・・・会社は、今日で辞めれます   “魂”の縁切り・良縁のお話し

 

 

4、「次の世界」に向けて、行動を始める

 

実際には〈限界点〉の一歩も二歩も手前で、辞める方向で計画をてておく方が良いでしょう。

 

具体的には転職のための計画を考えましょう。

または、次には自分の興味ある職種に就くための勉強を始めるようにします。

 

 

まずは最初の行動に動き出しましょう。

行動を始めれば、今の自分では思いつかないような発想が思い浮かぶことがあります。

 

また、友人や知人から良い情報を教えてもらったりして道が開いてくるものです。

 

現在の状況があまりにも苦しいのならば、そこから飛躍して、新しい自分に向かって行動を起こしましょう。

 


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